穂高岳〜岩稜の散歩〜 2006/ 8/ 24〜 8/26 【Travel Diary】   【Home】


北穂高岳・涸沢岳・奧穂高岳


  バリエーションルート

*北鎌尾根
*前穂高・北尾根
*剱岳・源治郎尾根
*北岳・バットレス第四尾根


  一般ルート

*北穂高岳・涸沢岳・前穂高岳
 




北穂高岳・涸沢岳・奧穂高岳
涸沢から北穂高岳を望む 左下は涸沢小屋
涸沢から観た左一般ルートの南稜と北穂高岳、右側東陵(ゴジラの背)、左下は涸沢小屋



〜涸沢から3000mの岩稜散歩〜


  **山登りの準備**

七月中旬ジムで汗をかいている時、山仲間の鉄人F氏が今年の山行きどこにする・・?? 

と聞いてきた。 どこでもいいけど・・・? 

北穂の東稜(ゴジラの背)はどう・・? と鉄人F氏・・ 

あそこはバリェーションルートだけど・・ そこだけではもったいないしなぁ〜

じゃぁ 涸沢岳から奧穂までのばしてもええし〜 と山の話をしていると、となりで汗を流していたスポーツカーの
ねえさんが話の中に入ってきた。

"穂高"の言葉が気になったようだ。前から登山に興味があったみたいだが、

チャンスがなく近くでハイキングを楽しんでいるみたいだ。

我々がいくのであれば、連れて行けと言う。あんた、ロープ扱える? 懸垂出来る? 

出来ヘン そりゃぁ無理やデ〜 

熟女は龍門山で懸垂しているけど、あんたあの時行ってないし 始めてやったらあかんわ〜

命の保証ないよ〜




2〜3日後、本で調べたのか、私は南陵の一般ルートを登って北穂の小屋で待っているわ〜 

鉄人F氏 なぬ〜? うまい手を考えたものだ!!

どうするぅ〜 どうするって テントに3人無理やぁー  そぅやなぁー ほな スポーツカーのねえさんだけ

小屋に泊まってもらう手はどうやぁー

初めての小屋に一人でよう泊まるかあ・・・???よう泊まるよぅ〜。 

風呂ないでー。ドライヤーないでー 個室ちがうでー 雑魚寝やでー よう泊まるぅ〜

ほな まあ 考えましょうか・・・ということで2〜3日が過ぎた。

ストレッチをしていると例の熟女がニヤニヤしながら近づいて来た。

3人で山に行くんやってなぁ〜 耳のはやい熟女だ!!

私も連れて行ってェ・・・

ええ・・あんたもかいなぁ〜 あんたも初めてやろう・・   そうョ〜 

龍門山に登っただけやろう、あんたは懸垂しているから、岩場はどんなんか何となくわかっている

と思うけど、一日中歩くでー 足大丈夫かぁ・・・??    何とか行けると思う。

おばはんに比べたら大丈夫かと思うが・・・

足を動かすより口を動かす方が得意な熟女・・・・・??

まあ 鉄人F氏に聞いてみるわ〜。

昨日聞いてもうOK をもらっている。 なぬ〜 手回しの早い熟女ゃ〜

そのおばはんは、最初からあきらめていた。

賢い!! 岩場は歩けない。一日中歩けない。風呂なしはダメ。雑魚寝は野蛮人がすることでとんでもないことだと思っている。

まぁ おばはんは永久に山登りは無理だなぁ。と言うことで、初心者2名を連れて行くことになっ

た。初心者二人一般ルート登らしてもし何か会ったらどうする・・・??

と私、  女性に優しい「花いかだ」であった。

鉄人F氏それもそうやなぁ〜  

しばし 考えて ほな 今回は東陵(ゴジラの背)あきらめて一般ルートを一緒に歩きましょうか。

と軟弱な中年老人である。  

日程は盆前の8月10日から3日間予定したが、信州地方は天候が悪く予定変更して 盆明けの23日からにした。



** 行 動 開 始 **

8月24日 (木)
午前2時 沢渡(さわんど)の駐車場に着く。

熟女とスポーツカーのねえさんは途中からガァ〜 ガァ〜 と高イビキだ!! 

鉄人F氏としばらく仮眠する。4時過ぎトイレにF氏が行く。

タクシーもう待っているよ〜と全員を起こす。 登山準備をしてタクシーに乗り込む中型タクシー

上高地まで3900円、 小型タクシー3500円 でメーター制から定額料金に変更していた。

上高地バスターミナル(5:25)で登山届を書いて河童橋に向かう。朝が早いので観光客も少ない。

快晴の穂高に朝日が当り梓川から冷気が上昇し薄い霧が立ちこめている。

橋のたもとのテーブルで、贅沢な景色を眺めながら朝食にした。

ここから11Kmは梓川沿いの森につつまれた木漏れ日の素敵な散歩道が待っている。

河童橋(6:05)ーーー明神池(6:45)ーーー徳沢園(7:50)ーーー横尾(8:50)

ここを歩いていると昨年の ミルフォードトラックを思い出す。

第二日目のグレードハウスからクリントン川に沿って ポンポローナロッジまでは上高地とよく似ているのだ。
生育している植物は違うよ〜

【花いかだ】・・・ニュージランド紀行

みんなまずまずペースで歩いた。




屏風岩

横尾からは屏風岩の岸壁を眺めながら、本谷橋(10:30)までもくもくと歩いた。

ここまでよう頑張った。ここからが登り坂となり足場も悪い。果たして彼女たちは・・・・????

20分休憩して、いよいよ開始だ。先頭は鉄人F氏、ついでスポーツカー、次ぎに熟女、しんがりは

私だ。

F氏はいつものペースがだんだん早くなる。
どうしたんだぁ〜 スポーツカーにあおられて早くなっている。

それを追いかける熟女、私だけが、ひとり取り残され、登山レースの雰囲気になった。

休憩した所でもっとゆっくりいきましょうとブレーキをかける。

今度はスポーツカーが先頭だ! これがまた間違いの素だぁ〜 !!

どんどん先に進む、F氏も必死に追いかける。熟女も負けてはならぬ!

と後を追う。結局は私が足を引っ張っている状況だ ハッハッハッ・・・

 涸沢ヒュッテ(12:40)に着いた。彼女たちより10分遅れの到着だ。あぁ〜しんど!!

それにしても彼女たち、登山最初にしてはよく歩くョ〜 負けたァ〜 

彼女たちは小屋泊まり、涸沢ヒュッテにチェツクインをする。F氏とテント場に行き受け付けをする。

一人500円×2=1000円の二日分で2000円支払うそれにプラスコンパネ代500円を支払った。コンパネ何に使うかって・・

実は涸沢のテント場はガレキのなかにある。いくらマットを敷いても背中に岩の角が当り安眠出来ない。

今までは我慢していたが、目の前にコンパネが(500円)あればつい手が出てしまう。しかしこれで安眠出来れば安いものだ。

ちなみに今年のヒュッテの宿泊料金は一泊二食付きで9000円だ。昼食の弁当は1000円だ。ウゥゥゥゥゥゥ・・・・・

涸沢のテント場

テントを設営してしばらくすると二人がやってきた。

わぁ〜〜ァ かわいい・・・中に入ってもいい・・ 寝袋に入って
   あったかぁー 二人ともテント初体験だ!! 
 

涸沢小屋まで昼過ぎの散歩!! 快晴だが暑くない さわやか! 爽快!
 快適!

涸沢小屋テラスでコーヒータイム
涸沢小屋テラスでコーヒーブレイク、眼前に前穂から延びる北尾根のスカイラィンがくっきりと見 え涸沢の雰囲気が最高である。

10月初旬は紅葉で絶景だろうなぁ〜、でも こんなにのんびり出来ないだろう。

テント場に帰り夕食の用意をする。私はカニ雑炊、F氏は定番カレーだ。食後は紅茶とフルーツ(梨) 

片付けも終わった。後は寝るだけ、6時に寝袋に入る。昨夜は徹夜の運転、朝から女性共に

追い立てられ疲労困ぱいだ。 外は明るいが眠れそうだ !!

Zzzzzz。。。。。。。。。

8月25日(金) 快晴

朝日に輝く涸沢槍と涸沢岳               

午前4時鉄人F氏の携帯がなった。目覚ましをセットしておいたのだ。(涸沢は圏外で通話で出来ず)

入り口のジッパーを開ける。冷たい冷気がテント内に流れ込んできた。

空を見上げて感激!! 満天の星が輝いている・・
ワァ〜 こんなに星があるのかぁ・・・

ヒュッテのトイレに行って顔を洗って目を覚ました。あまりにも寒いので防寒着を着て朝食の用意

をする。東の空から明るさが増してきた。日の出前の寒気が肌を刺す。朝食は「梅干し入りおか

ゆ」だ。暖かい食べ物がおいしい。あとはミニトマトとコーヒーだ。 

ここからのご来光は見えないが空が輝き始める。後ろの前穂〜奧穂〜北穂の岩峰が涸沢カールの上

に浮かび上がってきた。最高の贅沢なロケーションでの朝食だった。片付けを済まして出発の用意

をする。テントはそのままにして必要なものだけをリュックに入れた。

午前6:00前だ。ヒュッテの石畳の坂を二人が
歩いて来る。足取りがしっかりとしている。

昨日の疲れがないのか・・・?? おはよう・・・・ 元気な声が弾んでいる。
 

この分なら稜線を一日歩けるだろう・・・・

まず涸沢小屋に行き彼女たちは荷物を預ける。(彼女たちは今晩涸沢小屋に泊まるのだ)

花畑の中を登る

 午前6:20 涸沢小屋を出発した。北穂沢に沿って取付き

お花畑の中を登る。トリカブトの紫色が目立つ、草丈も短くなり北穂沢から離れて南稜の稜線に登 っていく。

とりかぶと

今日もスポーツカーのねえさん絶好調だ。

鉄人F氏必死で付いていく。

熟女はしばらく間隔を空けている。

私はさらにその後だ。

奧穂と北穂の分岐点に着いた。

北穂の東陵(ゴジラの背) 沢山のリュックが置いてある。

ここから空身で北穂高岳に登っているのだ。

ここから15分ほどの距離、我々はリュックを持ったまま北穂を目指す。












8:45北穂の頂上に着いた。頂上は広いテラス状で真ん中に3106mの標識がありそ の奧に槍ケ岳の鋭い岩峰が聳えている。いい眺めだ !!

単独行のおじさんにたのんで、4人で記念の写真を撮ってもらった。頂上から一段下がった所に北 穂の小屋がある。

このベンチでしばらく休憩をして9:30に北穂の頂上を出発した。

                          

これからが、穂高の岩稜の稜線を歩くのだ。天気は快晴、最高の稜線の散歩だ。

相変わらずスポーツカーと鉄人F氏は早い。もっとゆっくり歩いてこの景色と沢から吹き上げる冷 気と風の音、岩の割れ目の高山植物を楽しまないと、もったいないよ〜

大岩のテラスで休憩 30分ほど歩いて大岩のテラスで休憩、すると スポーツカーのねえさん 私 先行くわ〜 と言って出発した。鉄人F氏 ついにあきらめた 

あとを追わない 穂高山荘で待ってろょ〜 と声をかけるのみ  大丈夫かょ〜
 

これから涸沢岳の登り、鎖場・はしご等危険の連続だ。

危険な所があれば待っているでしょう と いうこで スポーツカーのねえさんの姿が岩陰に消えて行った。




鎖場を下る ところで、熟女は元気であるが、高いところは苦手のようだ。慎重に歩いている。

涸沢槍の裏側は涸沢からみるような感じでなく、少しがっかりだ。


はしごを登るスポーツカーのねえさん

ここではるか向こうの涸沢岳の登りのはしごをスポーツカーのねえさんが登っているのが見える。

涸沢岳からはすぐ下に穂高山荘が見えた。

今日は天気がいいから奧穂・前穂それに連なる北尾根・ ジャンダルムのドーム 360度の景色を楽しんだ。

30分ほどで穂高山荘に着いた。(12:00)


はしごを登り終える熟女

スポーツカーのねえさんテラスの上で涼しそう待っていた。

早速昼食 彼女たちは涸沢ヒュッテの弁当だ。我々は餅入りみそラーメンだ。餅を入れることによ

って腹持ちがよくなるのだ。コーヒーを飲んで休憩をする。    

彼女たちはリュックをテラスの石の上に置いた。雨具だけ我々のリュックに入れて空身になった。

12:50 奧穂高岳に向けて出発した。山荘からいきなり急勾配の登り、鎖とはしごだ。下山者との

接触に注意だ!! 登りきると後は尾根沿いの縦走路だ。

奧穂の頂上の祠

1:30奧穂高岳(3160m)の頂上に着いた。7〜8名の登頂者がいた。

祠の前で記念写真をとった。







ジャンダルム 奧の丸いドーム



少しガスがわき上がってきた

















ジャンダルムを見ながら下山

ジャンダルムの岩峰が目前にせまり脅威の姿を見せている。オレンジ2コを1/4ずつにして2コ 食べた。

おいしいなぁ〜 足下に上高地の白い河原と梓川が見える。

2:00頂上を後にして下山する。

穂高山荘への下り
山荘2:30に着いた。


小屋に入って土産ものを物色してからザイテングラードを降りだした。

この時間になると登りの人は少なく快適に下降するが、つま先が痛くなる。

彼女たちはも快調だがたぶん足の痛みを感じてるだろう。何も言わずもくもくと歩く。

無事終了乾杯!!

4:20涸沢小屋無事到着

早速 熟女と鉄人はビールで乾〜杯 !! 乾〜杯 !!


スポーツカーと私はソフトクリームで乾〜杯 !!  乾〜杯 !!


 山を見上げながら、よく歩いたなぁ〜  満足! 満足! という彼女たちの顔だった。

我々はテント場に戻り、夕食の用意だ。今日も雑炊だ! 今日はサケだぞ〜 食事の前にヒュッテ に行ってヒュッテ名物の"おぜん"を買ってきておいたので、それと一緒に豪華??な食事になった。

今日は疲れたよぅ〜 〜 と鉄人  鉄人も疲れるんだぁ〜 早々に寝袋に入った。   

グゥ〜ガァ 〜 〜 ガァ〜 グウ 〜 〜




8月26日(土) 快晴 

涸沢に朝が来た

やっぱり4時に目覚ましが鳴った。今日も満天の星だ。 寒い! 冷える! レインコートの上着を着る。

朝飯の用意だ。今日も梅干し入りおかゆだ。

サトウのご飯を湯の中に入れて梅干し3コ入れてしばらく煮込む。あっさりしていて朝の食事にピッタリ!! 

食事の後は、テントの撤収だ。朝露でテント表面に水滴が着いている。両端を持ってはたいて水滴を散らす。
コンパネを返す(お陰で安眠出来た) 

荷物をリュックに詰め込んで涸沢ヒュッテに行き顔を洗ってトイレに行く。

本谷橋を渡る

ベンチで待っていると二人が来た。昨日の元気がない。

熟女 足痛い!! 
ついにでてきた言葉・・・
  

5:45 ヒュッテ出発して下山開始 本谷橋まで一気に降りる(7:00)










屏風岩 

横尾(8:10)でしばらく休憩をした。

ここは穂高方面と槍ヶ岳方面との分岐点なので混み合っている。

8:30 横尾を出て徳沢園(9:40)に着いた。「氷壁」で有名な宿

「氷壁の宿」 徳沢園

「氷壁の宿・・徳沢園」ここでソフトクリームを食べて元気をつける。

スポーツカーのねえさんは快調でここから独走態勢で先に明神池に行ってしまった。

熟女の足は重いがそれなりに頑張って歩いている。 がんばれ〜  頑張れ〜

我々のように下山してきた仲間は歩くのに元気がなく、なんなく沈んでいるのに対して、これ から山に入るパーティはみんな楽しそう会話しながら歩く速さにスピードが有り勢いがある。

明神池で涼しい顔でスポーツカーが待っていた。我々が休憩している間、一人で明神池を見学に行った。

最後まで元気のあるやっや〜〜 

11:00 最後の区間河童橋までのトレキングだ。この区間は登山というスタイルではない。

町中の散歩道の様子だ。スカート・サンダル・ウオークマン・ ファミリー・とにかくにぎやかだ。

我々は別世界から来たような感じになってしまう。

12:00前河童橋に着いた。今日は土曜日だ。河童橋周辺は人・人・人・人・・・・・

我々はゴキブリみたいな・・・・・

早々にバス停へ すぐタクシーで沢渡の駐車場へと脱出した(12:30) 

近くの「沢渡温泉」(駐車場から車で3分ほど)に行き3日間の汗を流した。

帰りは安房トンネルをぬけて平湯〜高山市内に入る手前の道の駅で遅い昼食(そば定食)とした。あ とは帰路するだけ。

午後 8:30 全員無事帰宅することが出来た。

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涸沢から北穂高岳〜奧穂高岳

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